ボツリヌス菌が生み出す、自然界で1番強いと言われているボツリヌス毒素に、人が感染するケースで1番多いのは食中毒です。

これは日本だけの話ではなく、世界中で発生しているボツリヌス菌の感染事例を見ても、圧倒的多数を占めるのは食中毒です。

この事実は、ボツリヌス菌の特性に関係しています。

この記事では、そんなボツリヌス菌による食中毒の発生が世界中で、何故多いのか?ということを解説していきます。

ボツリヌス菌の名前の由来

ボツリヌス菌の、ボツリヌスはラテン語のソーセージbotulusに由来します。

これは、その昔ボツリヌス菌による食中毒は、ソーセージやハムを食べた人々の間で起こる病だったからです。

そして、ラテン語が使われていた時代から今日まで、ボツリヌス菌による食中毒は人々を苦しめています。

現代では、ソーセージやハムにボツリヌス菌の繁殖を抑制する、硝酸塩を添加することにより、ソーセージやハムのボツリヌス菌による食中毒は激減しました。

しかし、ボツリヌス菌が何故ソーセージやハムを媒体にして食中毒を蔓延させてのか?を知っておかなければ、他の食品でボツリヌス菌による食中毒を発症する可能性があります。

ボツリヌス菌による食中毒は何故多いのか?

ボツリヌス菌は空気の苦手な嫌気性細菌です。

瓶詰Mジャムつまり、空気触れていない密閉された空間に、適度な水分と栄養素がある場合にのみ増殖し、ボツリヌス毒素を発生させます。

例えば
瓶の中に食品を保管している場合
腸の中に肉を入れるハム、ベーコン
様々な缶詰め

これらの食品を保管する際に、何らかの理由でボツリヌス菌が入り込むと、保管している間に内部でボツリヌス菌が増殖、そして、増殖過程で生み出されたボツリヌス毒素が食品と混ざり、食品を食べることで、ボツリヌス毒素を摂取し、食中毒を起こすのです。

保管技術の進歩によって食品を密閉し長期間保管できるようになったのは素晴らしいことですが、ボツリヌス菌が入り込むと、長期間保管できることが食中毒の発症を引き起こしているのです。





ボツリヌス菌から身を守るには?

ソーセージ日本ではボツリヌス菌による食中毒は減ってきましたが、世界を見渡せばボツリヌス菌は、様々な場所で食中毒を引き起こしています。

ボツリヌス菌による食中毒から身を守るには、怪しいと思った食品には火を通すことです。

ボツリヌス毒素は加熱することで、除去することができるので、何らかの理由で感染が疑われる食品を食べる際には、念のために加熱するのが良いでしょう。

まとめ

食品を密閉して長期間保管している際には、その中でボツリヌス菌が増殖している場合があります。

ボツリヌス菌は、食品の見た目では増殖しているのか判断できないので、怪しいなと思ったら、加熱処理してから食品を食べるのが良いと思います。